いつもは一人で専用線を撮っているが、同じ目的の仲間は他にもいて情報交換していた。一度東西のメンバーで会おうということになり、早朝に名鉄三河線の越戸駅で待ち合わせた。

 夜明け前に到着し、電車を撮っていると東京からの車も到着した。越戸駅の横にはナローの作業軌道がある。機関車はいないが、ワイヤーロープでトロッコを移動させる。陶土の乾燥に使う軌道だった。池の中で土をかくはんすると表面に粘土層ができる。これを切り取って木の棚に並べて乾燥させる。調べてみると越戸駅は1984年まで貨物営業していた。

 ナローゲージファンといってもかつては762ミリゲージの軽便鉄道や森林鉄道が主流だった。しかし、それらが無くなると610ミリの工場内軌道も対象になり、さらにゲージの狭い軌道も知られるようになっていた。私の場合はサブロクの貨物側線を中心に撮っていたが、この頃からはナローの撮影も増えていた。

 三河線には今年も乗っているが、越戸駅付近は1999年に高架化されていて、風景は変わっていた。

 貨物営業をしていた頃の越戸駅は島式ホームがあり、さらに越戸鉱山とのあいだに貨物側線が1本あり、そこで有蓋車に陶土の塊を積み込んでいたようだった。ナローファンにはこのようなひょろひょろの線路に人気があったようだが、私にとっては小さくても機関車のいる線が好きだった。
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夏の朝、霧の中を朝日がのぼる。名鉄三河線の電車が到着。ここで東京のナロー専門家を待つ。

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すでに貨物輸送の廃止された越戸駅全景。かつては島式ホームで手前に貨物側線があった。デキ600形の牽く貨物列車が走っていた。1976年には手前まで行ったが、ここまで知らなかった。

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陶土の塊はあちこちで乾燥させていた。

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トロッコは木製で木枠の中に積み込み、荷下ろしはトロッコをひっくり返す。

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誰もいない工場で、トロッコを撮影した。奥の方まで行っていない。

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機関車は使わず、動力はワイヤーロープである。

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